16. XTC – White Music

2020年5月24日

「XTC嫌いっていう人今まで会った事ないしこれからもないと思います」

アメリカに「Devo」がいればイギリスには「XTC」がいます。初期は同じ「Newwave」というくくりながらタイプは正反対。まさにそれぞれの土地のイメージを象徴するような曲とメンバーの姿。もちろんどちらのバンドも偉大で後のミュージックシーンに与えた影響は数知れず。個人的ですが日本にはXTCのファンが多いように思えます。

そんなXTCのメンバーはイギリスの工業都市の「スウィンドン」で育ちました。同じ団地・同じアートスクールとメンバーの距離はバンドを組む前から近かったみたいです。

「スウィンドンにある蒸気機関車博物館。7枚目のアルバム「Big Express」はもちろんこの街から」

XTCのボーカル/ギターのアンディ・パートリッジが組んだ最初のバンド「Helium Kids」は「New York Dolls」に影響され長髪にギラギラした靴を履いてグラムロックを演奏してました。(ちなみにこのバンドの動画がYoutubeにアップされていました!非常に男くさいというか泥くさいというか・・・)

そしてこのバンドを経て1976年に「XTC」と名前を変更し長髪も切り改めてバンドをスタート。このバンドから初期XTCのスタイルにあるまで何があったのかわからないですが、非常に重要な人物であるキーボーディストの「バリー・アンドリュース」が加入した事はかなりバンドの推進力になったのではと推測します。

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XTC – White Music (1978 Virgin)

「リリース当時の売れ行きとか人気がどうだったか知りたい。あまり他のバンドがXTCの事を話している記事ってみた事ない」

XTCだけでなくパンク/ニューウェーブの中でもトップのかっこよさを誇る超名盤。正確なリズムを刻む時とドタバタと暴れるギャップが魅力的なドラム、ニューウェーブバンドにあるまじきギターのすさまじい音圧と王道・屈折を織り交ぜたギターリフ、唯一無二の音色と聴いた瞬間の目の前の景色さえ変えてしまうキーボードの音。どれをとっても個性的で曲になるとその個性が独創性を次々と生み出します。

「Radios In Motion」「Statue Of Liberty」「New Town Animals」等ほぼ全ての曲が名曲だと言っても過言ではないですが、当時のインタビューでアンディ・パートリッジは「『パンク』と呼ばれたくなかった。他人にジャンルを決められる前に自分で表現したかった」と語っておりその精神が曲にそのまま表現され名曲「This Is Pop」は生まれました。

受け手によっては『パンク』や『ニューウェーブ』『アートロック』など様々な解釈があるかもしれませんが、アンディ・パートリッジは様々な表情をした曲が収録されているこのアルバムを自分の生まれ育った音楽「ポップ・ミュージック」として捉えてもらいたかったのだと思います。

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