19. Depeche Mode – Speak And Spell

2020年7月11日

depechemodeband
「ホントまだ子供じゃないか・・・どれがヴィンス・クラークか分からない・・・」

ついに来ました。今ではスタジアムクラスで一番の大御所、UKエレクトロミュージックのトップを突き進む「Depeche Mode」です。2020年現在でなんと今年結成40周年(?!)オリジナルアルバムも14枚リリースしているモンスターバンド。2020年には「ロックの殿堂入り」を果たし世界を代表するニューウェーブバンドに。(ちなみに去年の2019年は"The Cure"が殿堂入り、電子音楽生みの親とされている"Kraftwerk"は今年も受賞ならず・・・)

Depeche Modeとしてのスタートは1980年にヴィンス・クラーク、マーティン・ゴア、デイヴ・ガーン、アンディ・フレッチャーという今思えば奇跡の集結のような4人でスタート。1枚目のアルバムをリリース後にいきなり中心人物のヴィンス・クラークが脱退した事は有名ですが、それを機に別の人物の才能が開花し更に売れていったというエピソードもあり、一筋縄ではいかないバンドの歴史を辿るのも興味深いです。

40年の間に何があったかは各々ウィキペディアとかで調べてもらえればいいと思いますがここまでバンドを継続できている事、バンド結成当初から現在に至るまで音楽の芯は全くブレずに続いている事。その一貫した姿勢こそが素晴らしく多くの人に愛される理由だと思います。

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Depeche Mode – Speak And Spell (1981 Mute)

depechemodenewlife
「もう神々しいほどのオーラをまとったレコード。この音源に出会えて人生狂ったかも。」

40年のキャリアが始まる記念すべきファーストアルバム。タイトルになっている「Speak & Spell」は1978年に教育用として発売されたロボットのような声が出るオモチャの事です。クラフトワークのアルバム「Computer World」でも使用されたという、初めてテクノ楽曲に使用されたオモチャとも言えますね。(ちなみに誕生から41年の月日を経て復刻版が発売されたとの事。詳しくはこちら)

このアルバムがリリースされるまでの時系列を簡単にまとめて見ました。
1981年2月 – Dreaming Of Me 7inch 全英57位
1981年6月 – New Life 7inch 全英11位
1981年9月 – Just Can’t Get Enough 7inch 全英8位
1981年10月 – Speak & Spell LP 全英10位

この流れ震えますね・・・。調べるまで全く知らなかったんですが1981年は完全にDepeche Modeの年だったと。名盤のシングル3枚をここまで立て続けにリリースしていたとはあまりに凄すぎです。うなぎ上りに上がっていくチャートの順位を見ていると、バンドに声をかけたダニエル・ミラーに感謝、その期待に応えたデペッシュモードにまた感謝。お互いの存在があったからこそ今の時代でも活動できているという歴史に感動すら覚えます。

そしてアルバムの方ですが「New Life」「What’s Your Name?」「Just Can’t Get Enough」等、名曲のオンパレードというか回転ずしのように次々と迫りくる名曲の数々。同時期に活動していたNewwave/Technoバンドと違ってデペッシュモードはなぜこうも音の響き方が違うのか。細かい電子音楽の事は分からないですが一つ一つの音が明らかに違うという事はすぐに分かります。それが曲になると電子音楽が折り重なる事で生まれる儚い情景とゆっくり朝焼けのように広がるドラマのような展開がこのバンド、そしてこのアルバムの存在を孤高な物へと昇華させていっていると思います。
個人的にはストンと落ちるようなタイトなドラムマシンのスネアの音は他では絶対に聴く事はできない電子楽器で作られた歴史上最高のスネア音だと確認しています。(特許でも取ってるのかと思うほど他では聴いた事がないです・・・)

そして最後にこのアルバムの事に調べていたらMuteからリリースされたUK盤は2曲目に「I Sometimes Wish I Was Dead」を収録、それ以外の国からのリリースでは曲が変わって3曲目に1st 7インチのタイトル曲「Dreaming Of Me」が収録されていると分かってもう絶句・・・。今まで「Dreaming Of Me」を聴く時は7インチを引っ張り出して聴いていたのにこの並びでこの曲を聴く方法があったなんて・・・。

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