2. The Jam – All Mod Cons
1stアルバムの延長で作られた2ndアルバム「This Is The Modern World」は1stの勢いを超えられずどっちつかずのアルバムになってしまいポールウェラーは迷走していたよう。(だけどIn The Street Todayはジャムの中でもトップ5に入る名曲だと思ってます)
そんな迷走し始めたウェラーだったが、目に映る日常や登場人物を描く事で万人に共感する世界観を持ち合わせたアルバムが78年度「NME」読者投票で1位に選ばれた3rdアルバムの「All Mod Cons」。初期のアルバムよりもスピードを落としドライブ感を重視したこのアルバムはJamのアルバムの中でも1.2の出来だと思います。
The Jam – All Mod Cons (1978 Polydor)
3rdアルバムの1曲目「All Mod Cons」こそがそれから何十年と続くポール・ウェラーの輝かしい歴史のスタートだと改めて感じます。シンプルでストレート、始まった瞬間の空気感。ギターの音もリッケンバッカーのザラつきを小さじ一杯抑えて、タタタタと入るドラムのスネアの音は明らかに今までのアルバムと違う感触を感じたのを今でも覚えてます。
自転車をフルパワーで漕ぐんじゃなくて小型の船を水の流れに身を任せながらオールをスイスイと漕ぐ感覚、パンキッシュな曲よりかは「It’s Too Bad」のような自然で優しいスピードで進む曲がアルバム全体のバランスをちょうど良い塩梅で保っているのだと思います。
ブライトンの海岸(ModsとRockersの抗争が起きた場所)のさざ波の音であろう効果音から始まる「English Rose」を、雪が積もる県道を走りながら何度涙して聴いた事か・・・。
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