22. Wipers – Is This Real?

2020年8月23日

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「やはりWipersといえばこの強烈なロゴ」

昨今細分化された音楽シーンの中でもジャンルの垣根を超えて愛されるバンドは昔から多くあります。今ではSNSでそれぞれのバンドや個人の発信が簡単に受け取れるので驚くほどの発見は少なくなってきたかもしれないですが、「このバンドがこのバンドに興味を受けていたのか!」というそのバンドの根源を知った時に感じる嬉しさは特別に親近感を持ったような気持ちになる事もありました。

その表現の一つとして分かりやすいのは曲をカヴァーする事だとと思います。70’sパンクバンド「Dickies」はブラックサバス~60年代番組のテーマ曲(Banana sprit)と幅広いジャンルからDickies風にカヴァーしバンドの色を表現しました。
そしてご存知「Nirvana」も様々なバンドのカヴァーをして影響を受けた道筋を自分のバンドの音で示してきました(そもそもファーストシングルがカヴァーだった)。その中でも当時は認知度が低かったにも関わらずNirvanaがカヴァーして世界的に名前が知れ渡ったという不遇なバンドが1977年から活動したアメリカのパンクバンド「Wipers」です。

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Wipers – Is This Real? (1979 Park Avenue Records)

「背景の色が黄色のジャケットにはなぜか目が惹かれる(49 americansとか・・・)」

↑ではNirvanaがカヴァーしたから世界的に有名・・・と書きましたがWipersが全く無名という事ではなく、当時から素晴らしいアルバムをリリースしていて地元周辺では英雄だった事。ちなみにサブ・ポップの初期名作オムニバス1986年リリースの「SUB POP 100」にも「Sonic Youth」等と一緒に参加していた為かなりの知名度はあったかと思います。
Nirvanaがカヴァーした事でパンクとグランジ(オルタナ)が繋がったように理解していましたが調べたらまだ何年の前にその関係は始まっていてその結果がこのカヴァーにつながっていたのだと分かりました。

「黄色ジャケが繋がった瞬間」

Wipersの中心人物「Greg Sage(G/Vo)」は多くの作品をプロデュースしていてその中でも「Beat Happening」のデビューアルバムがGregプロデュースだったと知った時は目から鱗でした。Greg SageとCalvin Johnsonが当時どのような関係だったのかは分からないですがNirvanaがカバーするよりもずっと前にWipersとインディーシーンに関わりがあったという事実だけで素晴らしく思います。

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